地域の歴史勉強 ボランティア おっぱまはっけん倶楽部
4月8日10:00京急線県立大学駅に集合、総勢17名、雨天ながら勇んで出発、辺りは随所で桜が満開、雨に濡れてピンクに染まっている。
10分ほど歩いて旧横須賀鎮守府司令長官官舎に着いた。ここも桜花に包まれている。大正2年の竣工以来終戦までの間何代にも亘って旧海軍の大将、中将クラスが司令長官として赴任し使用した建物である。英国に留学し建築士の資格を手にした海軍技師による設計で、洋風館と和洋館との接続住宅である。外観も味わい深いが、館内は建具の装飾など立派で見どころが豊富だ。
じゃーじゃー降りの中近所の聖徳寺に立ち寄った。東京湾第三海堡の構築などに経済面で支えた事業家永島家の菩提寺。軒の垂木が長いのが目を引く。
近所に古風な店舗があった。軒先が長く出ているのが特徴で、「出桁造り」と呼ばれる。昭和初期に多かった建て方だそうだ。
しばらく歩いて上町教会に着いた。昭和6年の建物なりの年輪を感じたが、紅白に分かれて咲き誇る花木に見惚れてしまった。桃らしい。
近所にバルコニー付きの特異な洋風木造建築物を見つけた、東中里町町内会館だ。昭和7年築以来一貫して町内会館として使われてきたそうだ。
横須賀中央駅に向かう上町商店街に入ってきた。2階部分正面全面を銅板張りして飾り立てた店舗が点在している。「看板建築」と呼ばれる昭和初期に多かった建て方。関東大震災で被災した経験を活かした防火対策らしい。今も現役だ。
中央公園着、満開の桜を目にしながら、風雨激しく、予定していた花見の宴はあきらめ早々に近所の古風なそば屋に駆け込み昼食。
また元気が出て来た。近くの龍本寺は市内最大規模と言われる。本堂正面軒先の彫り物や「琴棋書画」と呼ばれる木彫りの扉に目を引かれた。当寺が建つ台地の下断崖に洞窟があった。日蓮上人が房州から海路こちらに上陸した折潜んだものと言う。
再び上町商店街に戻っての帰り道、頑丈そうな石壁の店舗を発見、明治30年代の創業で、房州石とのこと。
横須賀市街地めぐりを終え、15:00頃横須賀中央駅前で一同解散となった。振り返ってみると寺も古建造物もよく残っていて見応えがあった。戦時空襲をほとんど受けずに済んだお蔭、横須賀ならではのことと感じ入った次第。なお花見の宴をあきらめ切れない有志は雨上がりを待って、京急田浦駅裏の南郷公園で夜桜を楽しんだ。皆思う存分活躍した一日だった。